園長のたより

No.8

 

今年も残すところ、あと数日となりました。
平成24年は皆様にとってどんな一年でしたでしょうか?

この一年、保育園では、色々なことがありました。
本園を改修して、ちゅーりっぷ組を移したこと、90人に定員を増やしたこと、茶毒蛾の大量発生に夏の猛暑(酷暑?)、運営委員さんたちの活躍、給食体制の刷新、学童保育の開設、さくら組さんの鴨居保育園との交流などなど・・・

そうした中でも、毎日穏やかに保育を行うことができ、ひとつひとつの行事においてもそのたびに子供たちの成長していく姿が見られたことは、子どもたちの伸びようとする力と、それを支える保護者の皆様の愛情と、職員たちの頑張りの賜物と、心から感謝をしながら、今、こうして年の瀬を迎えています。本当にありがとうございました。

そして、来年度は保育園も開設5年目を迎え、『みらい』として、ここの施設を作った時からの理念である、“大きな輪の中で”にあるように、子どもたち・保護者・お年寄り・障害をもった方たちも、全てのひとが、この社会の中でそれぞれの役割を持ちながら生きていける場所を広げていけるよう、NPO法人を設立いたします。
NPO法人では、学童保育・地域子育て支援・障害児の放課後居場所づくりなどの事業を、広く地域の方たちの応援をいただきながら、行政や関連諸機関と連携をとって進めていきたいと思っております。
ここの地域で育った子どもたちは、社会に出て、“人と支え合う””生き方をしてくれることと信じて、たくさんの方たちと『地域の子どもを地域で育てる』活動を続けていきたいと思っております。
どうか、皆様のご賛同をいただきたく、よろしくお願いいたします。
(横浜市のHPでは設立趣旨書、定款、事業計画書を閲覧できます。ぜひご覧ください。)

先日のクリスマスイブの日には、精神障害者作業所の通所者の方たちのハンドベルコンサートを聴いてきました。(『アトリエ窓』という、保育園で使っている木製のマークやキーホルダーを作っている作業所です)
県立音楽堂での晴れのコンサート。
音階の異なる多数のハンドベルで、ひとつの複雑な曲を皆で協調して演奏することは、根気強い練習の積み重ねが必要であることは想像できますが、どちらかといえば、協調することや根気強く練習を重ねることは苦手な障害特性があるとすれば、ここに来るまでの、一人一人の努力と、それを支え続けてきた家族や指導者、作業所の職員さんたちの緊張感や思いはどれほどのものか・・・と胸に迫る思いをもって聴きました。
しかし、プロ級のそれは美しい響きで全9曲を演奏し終え、一人一人の安堵感とともに達成感に満ちたさわやかな表情を見たとき、本当に、どの人も社会のなかできちんと生きているのだということを実感しました。

そう! あなたも私も、みんな役割があるのです。そこにいる意味があるのです。
子どもも大人も、その役割・意味を見つけ、認め合い、はたしていける場を、ここの地に創っていくために、来年は一歩踏み出そうと思っています。

皆様も、ぜひご一緒に、歩みを進めてくださると幸いです。

新しい年が、皆様にとって心温まる、幸せな年でありますよう、お祈りいたします。

平成24年12月27日
飯野 慰子